査定カフェ

保険会社の新契約引受査定者と保険金等支払査定者にとって役立つ医学・医療・保険医学関係の
サイトを集めてみました。生命保険業界歴25年の経験から査定医牧野がお勧めするサイト集です。
お役にたれてば幸いです。この査定カフェで一息いれてくださいませ。
また、ご意見・ご感想をお寄せください。

自然免疫(innate immunity)として働くNK細胞(natural killer cell)の機能について説明してくれています。
英語ですが、とても分かりやすいです。


NK細胞(natural killer cell)は、ウイルス感染などや腫瘍化によりMHC class I分子の発現が低下した細胞を殺傷し、自然免疫の主要因子として働く細胞傷害性リンパ球の1種です。特に腫瘍細胞やウイルス感染細胞の拒絶に重要です。形態的特徴から大形顆粒リンパ球とも呼ばれます。一般のT細胞と異なり事前に感作させておく必要がないということから、生まれつき(natural)の細胞傷害性細胞(killer cell)という意味つまり「生まれつきの殺し屋」で、NK細胞と名付けられています。
このエントリーをはてなブックマークに追加

抗NMDA受容体脳炎(anti-NMDA receptor encephalitis)は、当初「卵巣奇形腫関連傍腫瘍性脳炎」として2007年に報告されたものが始まりで、傍腫瘍性脳炎として女性に好発すると考えられていました。近年では、腫瘍の有無に関係なく60%が発症することが分かってきました。抗NMDA受容体脳炎には次の5つの特徴があります。
  1. 統合失調症様精神症状
  2. 痙攣発作
  3. 無反応・緊張病性混迷状態
  4. 中枢性低換気
  5. 奇異な不随意運動
抗NMDA受容体脳炎では、統合失調症と共通した病態が関与しています。統合失調症の精神症状は、  NMDA受容体機能低下説で説明され、NMDA受容体機能が抗体により抑制されることで、グルタミン酸作動性ニューロンやドーパミン作動性ニューロンの脱抑制状態が惹起されると考えられています。

抗NMDA受容体脳炎では、卵巣奇形腫の神経組織細胞膜上に発現している抗原が、抗原提示細胞を介して免疫応答を誘導し、CD4陽性T細胞を活性化し抗体を産生させると推認されます。 何らかの感染を契機に免疫が賦活化し、中枢神経内に侵入した抗体が共通抗原を有する海馬や前脳の神経細胞のNMDA受容体に結合し、受容体機能を障害すると考えられています。剖検例の脳では、補体の沈着は確認されていないことから、補体非依存性にNMDA受容体機能が障害されているのでしょう。

NMDA受容体は、グルタミン酸受容体の1つです。記憶や学習、また脳虚血後の神経細胞死などに深く関わる受容体と考えられています。他のグルタミン酸受容体サブタイプである AMPA受容体やカイニン酸受容体と異なり、NMDAがアゴニストとして選択的に作用します。NMDAは、N-メチル-D-アスパラギン酸のことです。 
このエントリーをはてなブックマークに追加

再生不良性貧血(aplastic anemia; AA)とは、造血臓器である骨髄の機能低下から起こる貧血をいいます。汎血球減少を来たすさまざまな疾患を鑑別診断しなければなりませんが、一部に骨髄異形成症候群や白血病へと移行するものもあります。診断基準は下記のとおりです。

 再生不良性貧血の診断基準(平成22年度改訂)
1. 臨床所見として、貧血出血傾向、ときに発熱を認める。 

2. 以下の3項目のうち、少なくとも二つを満たす。 
   ①ヘモグロビン濃度;10.0g/dl未満 
   ②好中球;1,500/μl未満 
   ③血小板;10万/μl未満

3. 汎血球減少の原因となる他の疾患を認めない。
汎血球減少をきたすことの多い他の疾患には、次のような疾患がある。
  • 白血病、
  • 骨髄異形成症候群
  • 骨髄線維症
  • 発作性夜間ヘモグロビン尿症
  • 巨赤芽球性貧血
  • 癌の骨髄転移
  • 悪性リンパ腫
  • 多発性骨髄腫
  • 脾機能亢進症(肝硬変、門脈圧亢進症など)
  • 全身性エリテマトーデス
  • 血球貪食症候群
  • 感染症
4. 以下の検査所見が加われば診断の確実性が増す。 
 1) 網赤血球増加がない。 
 2) 骨髄穿刺所見(クロット標本を含む)で、有核細胞は原則として減少するが、減少がない場合も巨核球の減少とリンパ球比率の上昇がある。造血細胞の異形成は顕著でない。 
 3) 骨髄生検所見で造血細胞の減少がある。 
 4) 血清鉄値の上昇と不飽和鉄結合能の低下がある。 
 5) 胸腰椎体のMRIで造血組織の減少と脂肪組織の増加を示す所見がある。

5. 診断に際しては、1.、2.によって再生不良性貧血を疑い、3.によって他の疾患を除外し、4.によって診断をさらに確実なものとする。再生不良性貧血の診断は基本的に他疾患の除外によるが、一部に骨髄異形成症候群の不応性貧血と鑑別が困難な場合がある。
このエントリーをはてなブックマークに追加

 肺炎とは、肺実質の急性感染症である。すなわち、ウイルスや細菌など何らかの病原微生物が肺に侵入して、急性炎症を来たした状態である。急性炎症を来たした証拠として、発熱・咳・痰・呼吸困難・胸痛などの臨床症状を呈することが多い。血液検査では、末梢血白血球増加、CRP陽性、赤沈亢進などの検査所見を呈 し、肺に炎症の場がある証拠として胸部X線写真上異常陰影を呈する。

 肺炎は罹患率と死亡率ともに高い重篤な疾患である。日本における肺炎による受療率は人口10万人に対して30であり、死亡率は人口10万人に対して70である。平成23年の患者調査では死因順位が第3位となった。90歳以上の男性では死因第1位である。

日本呼吸器学会編「成人市中肺炎診療ガイドライン」では、身体所見と年齢による重症度分類が行われている。下記に示した5つの指標を用いて肺炎の重症度を分類する。

1.年齢が、男性70歳以上、女性75歳以上
2.BUN 21mg/dL以上または脱水あり
3.SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
4.意識障害(JCSで評価)
5.血圧(収縮期)90mmHg以下

軽症は、上記の5つの項目のいずれも該当しないもの。
中等症は、上記項目の1つまたは2つを有するもの。
重症は、上記項目の3つを有するもの。
超重症は、上記項目の4つまたは5つを有するもの、ただしショック症状があれば1項目でも超重症とする。

一般に軽症以外は入院治療が考慮される。

このエントリーをはてなブックマークに追加

肺炎(pneumonia)を解説したYoutubeを紹介します。肺炎は、ウイルスや細菌の感染により起こりますが、次の2種類の肺炎を区別する必要があります。というのも起炎菌が異なるからです。

1.市中肺炎(community-acquired pneumonia; CAP)
医療機関との接触がない場合に発症する肺炎で、主に肺炎球菌が原因です。続いて、マイコプラズマ、クラミジア、インフルエンザ桿菌があります。

2.院内肺炎(hospital-acquired pneumonia; HAP)
入院後48時間以降に新たに発症した肺炎を指します。そのうち人工呼吸器が装着されているものを人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia; VAP)と呼びます。これは重症肺炎です。

 
このエントリーをはてなブックマークに追加

心電図検査の房室ブロックとは、心房からの刺激が心室に伝わる過程に異常があるため、心室の興奮が通常より遅れたり、欠落したりすることにより、脈拍が遅くなる状態です。ペースメーカーである洞結節の刺激発生は正常です。

房室ブロックの原因としては、心筋梗塞、狭心症、心筋炎、βブロッカーなどの薬剤、高カリウム血症、心筋症、サルコイドーシス、膠原病などがあります。

心電図検査の波形から、Ⅰ度からⅢ度ブロックに分類されます。Ⅱ度やⅢ度房室ブロックでは、心不全や意識を失うアダムストークス症候群などが起こることがあります。

Ⅰ度房室ブロック(1°AV Block)は、PQ間隔の延長のみですので、生命保険の引受は可と考えられます。心電図検査では、P波は正常でPQ間隔が0.20秒超延長した心電図波形が記録されます。PQ間隔は長いですが、心房の興奮は心室へ伝わっています。

Ⅱ度房室ブロック(2°AV Block)には、ウエンケバッハ型とモービッツ型があります。
このエントリーをはてなブックマークに追加

膠原病(collagen disease)は、病理学者Paul Klemperer(1887-1964)が1942年に提唱した疾患概念です。病気が特定の臓器障害から起こるとする「臓器病理学」の立場を離れ、膠原病が全身の「結合組織」が病変の主座であることを示しました。膠原病の病理組織学的変化としてフィブリノイド変性が共通して見られます。膠原病の特徴を列挙すると次のようになります。
  1. 原因不明の疾患
  2. 全身性炎症性疾患   発熱、体重減少、倦怠感、易疲労感
  3. 多臓器疾患   皮膚、関節、腎臓、肺、心臓、神経、筋、消化器、眼、血液 
  4. 慢性疾患   再燃と寛解を繰り返す 
  5. 結合組織のフィブリノイド変性 
  6. 自己免疫疾患
古典的膠原病と呼ばれるものには次の6疾患があます。全身性エリテマトーデス、リウマチ熱、強皮症、皮膚筋炎および多発性筋炎、結節性多発性動脈周囲炎、関節リウマチです。現在では、シェーグレン症候群、混合性結合組織病(MCTD)、ウェゲナー肉芽腫症、高安動脈炎、側頭動脈炎、好酸球性筋膜炎、成人スティル病、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、ベーチェット病、サルコイドーシスなども膠原病関連疾患と考えられています。欧米では、膠原病の代わりに結合組織疾患(connective tissue disease)やリウマチ性疾患(rheumatic disease)の名称が多く用いられています。なお、リウマチ熱(RF)については古典的膠原病に分類されていたが、原因が判明したため、現在は膠原病から外されています。
このエントリーをはてなブックマークに追加

感染性心内膜炎のデューク(Duke)臨床的診断基準は、次のとおりです。大基準2 つ、または大基準1 つと小基準3 つ、または小基準5 つが該当する場合に感染性心内膜炎と診断されます。発症の病態により、急性心内膜炎と亜急性心内膜炎に分けることがあります。

(大基準)
  1. 感染性心内膜炎に対する血液培養陽性
    A. 2 回の血液培養で以下のいずれかが認められた場合
    (1) Streptococcus viridan、Streptococcus bovis、HACEKグループ
    (2) Staphylococcus aureus またはEnterococcus が検出され、
        他に感染巣がない場合
    B.つぎのように定義される持続性の感染性心内膜炎に合致する血液培養陽性
      (1) 12時間以上間隔をあけて採取した血液検体の培養が 2回以上陽性
    (2) 3回の血液培養すべてあるいは4回以上の血液培養の大半が陽性
    (最初と最後の採血間隔が1時間以上)

  2. 心内膜が侵されている所見でAまたはBの場合
    A. 感染性心内膜炎の心エコー図所見で以下のいずれかの場合
    (1) 弁あるいはその支持組織の上、または逆流ジェット通路、
       または人工物の上にみられる解剖学的に説明のできない
       振動性の心臓内腫瘤
    (2) 膿瘍 
    (3) 人工弁の新たな部分的裂開
    B. 新規の弁閉鎖不全(既存の雑音の悪化または変化のみでは十分でない)
(小基準)
  1. 素因: 素因となる心疾患または静注薬物常用
  2. 発熱: 38.0℃以上
  3. 血管現象: 主要血管塞栓、敗血症性梗塞、感染性動脈瘤、頭蓋内出血、眼球結膜出血、Janeway発疹
  4. 免疫学的現象: 糸球体腎炎、Osler結節、Roth斑、リウマチ因子
  5. 微生物学的所見: 血液培養陽性であるが上記の大基準を満たさない場合、または感染性心内膜炎として矛盾のない活動性炎症の血清学的証拠
  6. 心エコー図所見: 感染性心内膜炎に一致するが、上記の大基準を満たさない場合

診断の肝となるのは、血液培養検査で起炎菌を確定することです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

生物学の細胞の復習です。英語でどうぞ。


このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年4月の医科診療報酬改訂では、新たに7件のダビンチ手術つまり手術支援ロボットを用いた手術が保険適用されるようです。手術コード(Kコード)が決まったら追記します。

・膵頭十二指腸切除術(ロボット支援):日本肝胆膵外科学会
・肺悪性腫瘍手術 区域切除(ロボット支援):日本呼吸器外科学会
・仙骨腟固定術(ロボット支援):日本産科婦人科学会
・食道悪性腫瘍手術(消化管再建を伴う)(頸部、腹部の操作)(ロボット支援下):日本食道学会
・ロボット支援下による頭蓋内電極植込術:日本てんかん学会
・膵体尾部切除術(ロボット支援):日本内視鏡外科学会
・腎盂尿管吻合術(腎盂形成術を含む)(ロボット支援):日本泌尿器内視鏡学会

テレビドラマの「ブラックペアン」は面白いですね。TAVIすなわち経カテーテル大動脈弁置換術の経心尖アプローチが紹介されたかと思うと、次はダビンチ手術、番組内では別名でしたが、紹介されました。原作は海棠尊著「ブラックペアン1988」です。

内視鏡下手術用ロボットとしては、ダビンチが有名ですが、ゼウスやイソップなどがあります。遠隔操作で人間の手指に近いきめ細かい動きができるようになってきました。遠隔手術が一般化されれば、戦場で負傷した兵士が本国にいる一流の外科医に手術をしてもらうことも可能となるでしょう。TVドラマの「ブラックペアン」では、ダーウインと呼んでましたね。

さて、2018年4月現在に診療報酬項目に収載されているダビンチ手術は、14件あります。ダビンチ手術が保険適応か先進医療かで、いろいろと悩ましいところですね。2018年4月に新たに保険収載されたのは12件です。

1 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) K843-4
2 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) K773-5

3 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術 K504-2
4 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術 K513-2
5 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) K514-23
6 胸腔鏡下食道悪性腫瘍手術 K529-2
7 胸腔鏡下弁形成術 K554-2
8 腹腔鏡下胃切除術 K655-2
9 腹腔鏡下噴門側胃切除術 K655-5
10 腹腔鏡下胃全摘術 K657-2
11 腹腔鏡下直腸切除・切断術 K740-2
12 腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術 K803-2
13 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体がんに限る) K879-2
14 腹腔鏡下膣式子宮全摘術 K877-2
このエントリーをはてなブックマークに追加

↑このページのトップヘ