疾患概念・原因
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes; MDS)は、異形成を伴う造血細胞の異常な増殖とアポトーシスによる細胞死によって特徴づけられる造血器腫瘍である。すなわち、1)無効造血、2)造血細胞の形態学的な異形成、3)末梢における血球減少を特徴とする。骨髄増殖性腫瘍(MPN)との鑑別が困難なこともある。
原因としては、有機溶剤、化学物質、放射線、抗がん剤などが考えられているが、原因は不明である。骨髄異形成症候群の約半数で染色体異常が見られることと、先天性染色体異常によるファンコーニ貧血の患者が高頻度で骨髄異形成症候群を発症することから、遺伝子変異の関与があると考えられている。
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes; MDS)は、異形成を伴う造血細胞の異常な増殖とアポトーシスによる細胞死によって特徴づけられる造血器腫瘍である。すなわち、1)無効造血、2)造血細胞の形態学的な異形成、3)末梢における血球減少を特徴とする。骨髄増殖性腫瘍(MPN)との鑑別が困難なこともある。
原因としては、有機溶剤、化学物質、放射線、抗がん剤などが考えられているが、原因は不明である。骨髄異形成症候群の約半数で染色体異常が見られることと、先天性染色体異常によるファンコーニ貧血の患者が高頻度で骨髄異形成症候群を発症することから、遺伝子変異の関与があると考えられている。
分類
不応性貧血(RA)
芽球が末梢血で1%未満、骨髄で5%未満であり、環状鉄芽球を持たないもの。白血病化は約10%である。
鉄芽球性不応性貧血(RARS)
環状鉄芽球が全赤芽球の15%以上を占めるもの。環状鉄芽球とはミトコンドリアに鉄が沈着し、プロシャ青染色で鉄顆粒が核に沿って核周の1/3以上に環状に配列したものである。
多血球系異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)
RAのうち、明瞭な形態学的異形成が10%以上に多血球にわたって見られるもの。白血病化は15〜20%である。
多血球異形成を伴う鉄芽球性不応性貧血(RCMD-RS)
RARSのうち、明瞭な形態学的異形成が10%以上に多血球にわたって見られるもの。白血病化や生存期間はRCMDとほぼ同じである。
芽球増加型不応性貧血(RAEB)
骨髄で芽球が5%を超えるか末梢血で1%を超えるもの。
- タイプI
- RAEBのうち骨髄中の芽球が5〜9%であるもの。20〜30%の確率で白血病化する。
- タイプII
- RAEBのうち骨髄中の芽球が10〜19%であるもの。タイプIより白血病化しやすい。
5q-症候群
染色体異常として5q-を有するタイプ。不応性貧血に類似するが、巨核球が小型で単核であるという特徴がある。最も白血病になりにくい。
分類不能型骨髄異形成症候群
上記のいずれにも属さないもの。顆粒球系にのみ異形成が見られるものなど。
(参考 「骨髄異形成症候群診療の参照ガイド 平成28年度改訂版」)
(参考 「骨髄異形成症候群診療の参照ガイド 平成28年度改訂版」)