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健康・病気

自律神経失調症とは、検査をしても異常がないのに、自律神経系のさまざまな症状を訴える状態です。 DSMでは、「鑑別不能型身体表現性障害」や「その他の身体表現性障害」となります。

身体症状性障害(Somatic Symptom Disorder)のDSM-5診断基準

A.身体症状が苦しく、日常生活の著しい妨げとなっている

B.次の身体症状や健康上の関心に関する過剰な考えや感情、行動  
1.症状の重症度に関する不適切で持続的な考え  
2.健康や症状に関する持続的な強度の不安  
3.過度の時間と労力をこのような症状や健康上の関心に費やす

C.どの身体症状も連続的ではないが、身体症状の出現状況は持続性である
   (典型的には6ヶ月以上)


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厚生労働省の令和2年人口動態統計月報年計(概要)によると、日本人の死亡原因は右下の円グラフのとおりです。

キャプチャ2

脳血管疾患は、昭和26年に結核にかわって第1位となりましたが、昭和45年をピークに低下しはじめ、昭和56年には悪性新生物にかわり第2位。昭和 60年には心疾患にかわって第3位となり、その後も死亡数・死亡率ともに低下傾向でしたが、平成23年には、肺炎にかわり第4位となり、全死亡者に占める割合は9.9%となっています。
平成23年(2011年)の死亡数を死因順位別にみると、

第1位は悪性新生物で  35万7185人
第2位は心疾患で   19万4761 人
第3位は肺炎で    12万4652人
第4位は脳血管疾患で  12万3784人

となっています。

さらに厚生労働省の平成24年人口動態統計(2012年の年間推計)によると、
第1位は悪性新生物で 36万1000人
第2位は心疾患で    19万6000人
第3位は肺炎で     12万3000人
第4位脳血管疾患で   12万1000人
の順となっています。

肺炎は、生活習慣病からの病態が重篤となったときに合併症として起こる疾患と考えられます。たとえば、がん、慢性心不全からの肺性心、脳血管障害からの嚥下障害などが原因で呼吸器感染症としての肺炎が起こっていると思われます。

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心電図検査の房室ブロックとは、心房からの刺激が心室に伝わる過程に異常があるため、心室の興奮が通常より遅れたり、欠落したりすることにより、脈拍が遅くなる状態です。ペースメーカーである洞結節の刺激発生は正常です。

房室ブロックの原因としては、心筋梗塞、狭心症、心筋炎、βブロッカーなどの薬剤、高カリウム血症、心筋症、サルコイドーシス、膠原病などがあります。

心電図検査の波形から、Ⅰ度からⅢ度ブロックに分類されます。Ⅱ度やⅢ度房室ブロックでは、心不全や意識を失うアダムストークス症候群などが起こることがあります。

Ⅰ度房室ブロック(1°AV Block)は、PQ間隔の延長のみですので、生命保険の引受は可と考えられます。心電図検査では、P波は正常でPQ間隔が0.20秒超延長した心電図波形が記録されます。PQ間隔は長いですが、心房の興奮は心室へ伝わっています。

Ⅱ度房室ブロック(2°AV Block)は、心房から心室への刺激伝導がときどき途絶える状態です。これにはウエンケバッハ型とモービッツ型があります。ウエンケバッハ型では、PR間隔が1拍動毎に徐々に延長し、ついには心房興奮の伝導が途絶しQRS波が脱落します。つまり心室筋の収縮が1回休みとなります。一方モービッツ型では、PR間隔は一定を維持するも、QRS波が突然脱落します。ふつうP波3つあたり1つ、または4つあたり1つのQRS波脱落が起きます。それぞれ3:1と4:1ブロックといいます。

Ⅲ度房室ブロック(3°AV Block)は、完全房室ブロックともいいます。房室結節での刺激伝導系の連絡が完全に途絶えた状態です。このままだと心臓が完全に停止することになりますが、心室筋の方から自発的に脈の発生が起こり、心房と心室が全くばらばらに収縮を始めます。
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1992年ブルガダ(Brugada)らが、心電図検査の胸部誘導(V1-2)における特異なST上昇と右脚ブロック様所見(J波の増高、顕著化)が、夜間睡眠中に発症する心臓突然死と密接な関係を有し、特発性心室細動の重要な基質であることを明らかにした。従来、我が国においても何らかの基礎疾患がない青壮年男子が夜間にうめき声を発して急死する奇妙な疾患(ぽっくり病)があることが知られていた。これらが同一の疾患であり、現在はブルガダ症候群と呼ばれている。

ブルガダ症候群に見る失神発作は、心室細動あるいは多形性心室頻拍により起こる。この発作は夜間の睡眠中に出現することが多く、副交感神経緊張亢進と交感神経緊張低下が関与している。  

もちろん、上述のような心電図所見を呈する症例のすべてが心室細動を起こすわけでもない。ブルガダ型心電図を示しても何ら自覚症状をともなわない場合には、無症候性ブルガダ症候群あるいは特発性ブルガダ心電図パターン(idiopathic Brugada ECG pattern)と呼ばれる。

企業健診における成人男性でのブルガダ型心電図の頻度については、大まかに0.1~0.2%で、saddle-back型がcoved型の2~3倍の頻度であると推察されている。失神、心室細動などの病歴を持つ症候性ブルガダ症候群の心事故発症率は高い(67.6%)が、無症候性ブルガダ症候群では低いと考えられている。心事故の無発症率は93.4%との報告もある。

 de Lunaらによる第3次コンセンサスレポート(2012)によると、ブルガダ症候群は1型と2型に分類され、それぞれcoved型とsaddle-back型に対応する。これら2つの型は相互に移行することも知られていることから、2型と言えども安心はできないが、失神の既往、急死や突然死の家族歴がなければ2型(saddle-back型)の予後は良さそうである。

(参考)
森博愛先生(徳島大学名誉教授)の下記サイトがとても勉強になります。
「Brugada症候群」
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注意欠如・多動性障害(ADHD)は、ASDと並ぶ主要な発達障害の1つであるが、ASDの10倍の有病率にもかかわらず臨床上重要な疾患として認知されてこなかった。小児期の有病率は5~10%との報告がある。ADHD特有の症状「不注意、集中力の障害」は、成人期になっても持続しているため、就労後に問題となる。一部は適応障害と診断されているのかもしれない。

   
特に就労してからは、ケアレスミスの頻発、仕事上のパーフォーマンスの低下といった否定的な要因と関連してくるケースが多い。多くのADHD当事者は、実際、就労してから自らの不適応を自覚し、病院を受診する。


発達障害 (文春新書)
岩波 明
文藝春秋
2017-03-17


注意欠如・多動性障害(ADHD)の診断基準(DSM-5)を下に記す。
注)ADHD:Attention-deficit hyperactivity disorder

A1:以下の不注意症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。
  • a.細やかな注意ができず、ケアレスミスをしやすい
  • b.注意を持続することが困難。 
  • c.上の空や注意散漫で、話をきちんと聞けないように見える。 
  • d.指示に従えず、宿題などの課題が果たせない。 
  • e.課題や活動を整理することができない。 
  • f.精神的努力の持続が必要な課題を嫌う。 
  • g.課題や活動に必要なものを忘れがちである。 
  • h.外部からの刺激で注意散漫となりやすい。
  • i.日々の活動を忘れがちである。 
A2:以下の多動性/衝動性の症状が6つ(17歳以上では5つ)以上あり、6ヶ月以上にわたって持続している。
  • a.着席中に、手足をもじもじしたり、そわそわした動きをする。  
  • b.着席が期待されている場面で離席する。 
  • c.不適切な状況で走り回ったりよじ登ったりする。 
  • d.静かに遊んだり余暇を過ごすことができない。  
  • e.衝動に駆られて突き動かされるような感じがして、じっとしていることができない。  
  • f.しゃべりすぎる。 
  • g.質問が終わる前にうっかり答え始める。 
  • h.順番待ちが苦手である。 
  • i.他の人の邪魔をしたり、割り込んだりする。 
B:不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは12歳までに存在していた。
C:不注意、多動性/衝動性の症状のいくつかは2つ以上の環境(家庭・学校・職場・社交場面など)で存在している。
D:症状が社会・学業・職業機能を損ねている明らかな証拠がある。
E:統合失調症や他の精神障害の経過で生じたのではなく、それらで説明することもできない。


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