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呼吸器

特発性器質化肺炎(Cryptogenic organizing pneumonia; COP)は、間質性肺炎の1種で、原因不明、ステロイド剤が有効な肺炎です。器質化肺炎は、肺胞から細気管支にかけての炎症と気腔内へのポリープ状の器質化組織を形成することが特徴です。一部に肺胞間の間質に炎症性細胞の浸潤が見られます。原因としえは、薬剤、膠原病、血管炎、放射線肺臓炎、悪性病変(リンパ腫など)、感染症(結核、非結核性抗酸菌症、マイコプラズマ感染など)など様々な疾患と関連が報告されていますが、原因不明のものを特発性器質化肺炎と呼びます。症状は、持続する発熱と咳嗽が主で、疾患特異的な症状はありません。胸部X線検査で、浸潤影が移動したり、非区域性に浸潤影が見えるものがあります。

(参考)
  1. 日本呼吸器学会 呼吸器の病気 間質性肺炎 特発性器質化肺炎
  2. 難病情報センター 特発性間質性肺炎(指定難病85)


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日本呼吸器学会が一般の方向けに「呼吸器の病気」をまとめたサイトを公開しています。呼吸器疾患の疾患概念を素早く把握するためには、とても便利と思います。

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 肺炎とは、肺実質の急性感染症である。すなわち、ウイルスや細菌など何らかの病原微生物が肺に侵入して、急性炎症を来たした状態である。急性炎症を来たした証拠として、発熱・咳・痰・呼吸困難・胸痛などの臨床症状を呈することが多い。血液検査では、末梢血白血球増加、CRP陽性、赤沈亢進などの検査所見を呈 し、肺に炎症の場がある証拠として胸部X線写真上異常陰影を呈する。

 肺炎は罹患率と死亡率ともに高い重篤な疾患である。日本における肺炎による受療率は人口10万人に対して30であり、死亡率は人口10万人に対して70である。平成23年の患者調査では死因順位が第3位となった。90歳以上の男性では死因第1位である。

日本呼吸器学会編「成人市中肺炎診療ガイドライン」では、身体所見と年齢による重症度分類が行われている。下記に示した5つの指標を用いて肺炎の重症度を分類する。

1.年齢が、男性70歳以上、女性75歳以上
2.BUN 21mg/dL以上または脱水あり
3.SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
4.意識障害(JCSで評価)
5.血圧(収縮期)90mmHg以下

軽症は、上記の5つの項目のいずれも該当しないもの。
中等症は、上記項目の1つまたは2つを有するもの。
重症は、上記項目の3つを有するもの。
超重症は、上記項目の4つまたは5つを有するもの、ただしショック症状があれば1項目でも超重症とする。

一般に軽症以外は入院治療が考慮される。

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肺炎(pneumonia)を解説したYoutubeを紹介します。肺炎は、ウイルスや細菌の感染により起こりますが、次の2種類の肺炎を区別する必要があります。というのも起炎菌が異なるからです。

1.市中肺炎(community-acquired pneumonia; CAP)
医療機関との接触がない場合に発症する肺炎で、主に肺炎球菌が原因です。続いて、マイコプラズマ、クラミジア、インフルエンザ桿菌があります。

2.院内肺炎(hospital-acquired pneumonia; HAP)
入院後48時間以降に新たに発症した肺炎を指します。そのうち人工呼吸器が装着されているものを人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia; VAP)と呼びます。これは重症肺炎です。

 
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胸部単純X線検査で指摘できる気腫性肺嚢胞保有頻度は男性0.87%、女性0.01%であり、男性に有意に多く、年齢では40歳代以降の高齢者層に多い。気腫性肺嚢胞の形成には、喫煙が関与している。肺気腫の合併も示唆され、肺がんの高リスク群でもある。10%に肺気胸の合併がある。
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